miletさんの歌う「Living My Life」が流れる『転職の魔王様』もいよいよ9月25日(月)で終わります。
今まで10話、観てきました。そしてmiletさんの歌「Living My Life」が、このドラマを観てきた激しく暑い夏(はてしない夏)の季節の記憶を、素敵な思い出に置換してくれるような気がしています。今夜(土曜の晩)は気温も24℃で、秋への期待が増す晩です。撮影のエピソードとして、石田ゆり子さんも小芝風花さんも白洲迅さんも猛暑であったというコメントを残されていました。それでもスーツを着崩さず、汗もみせず、みなさん演技していたんですね。本当にお疲れ様でした。
この記事は『転職の魔王様』が終わるのを惜しみながら振りかえる「まとめ記事」です。どうかお付き合いください。
第1話は「それぐらい自分で決めてください」というタイトルで、「パワハラ」の回でした。しかも未谷千晴(小芝風花)が被ったパワハラです。冷静ではいられませんでした。私たちは残念ながら「パワハラ」と無縁の世界に生きているのではありません。まさか「パワハラ」をふるう人がこの記事を読んではいないでしょうが、ご自身が「パワハラ」にあっている人、あった経験がある人もいらっしゃることでしょう。なかには職場で「パワハラ」されている社員をみたり、困っている人もいらっしゃるかもしれません。
自分は「パワハラ」については許しがたいと思うタイプなので、小芝風花さんの姿をみていられなかったです。そんな少しビターな回でした。
▶【転職の魔王様】1 小芝風花さん演じる25歳未谷 パワハラ克服宣言
そして第2話は、「あなたの本当の幸せはなんですか?」というタイトルでした。コメディエンヌとしての早見あかりさんが、32歳の派遣社員の胸の内を明かしてくれました。正社員に至るまでのドラマを深刻にならずに笑いにまぶしてみせてくれました。転職の魔王様、来栖嵐(成田凌)のカッコいいシーンもありましたね。最低な男を演じる役者さんもまた印象に残りました。私には、幸せということについて考えさせられる回でした。
▶【転職の魔王様】2 早見あかりさん熱演32歳派遣:正社員幸せ宣言
次の第3話のタイトルは、来栖の言葉で「とりあえず3年はもはや死語です」というものでした。酷い上司に耐える笹川直哉さん演じる渡邊圭祐さんがとても印象に残る回でした。自分が二十代の頃に味わった社会の理不尽を、久しぶりに思い出しました。私は渡邊圭祐さんのように爽やかではなかったけれど、彼の味わった理不尽なシーンのいくつかは経験してきました。本当にどうしようもない上司はこの世界にいます。しかし長い時間の間で彼らは淘汰されていくのをみてきました。だからこそ、渡邊圭祐さん演じる笹川さんは最良の青年であるままでいてほしいし、そんな青年をこそ日本の企業は育てて行かなくてはならないと思った回でした。
▶【転職の魔王様】3 渡邊圭祐さん25歳食品会社営業:上司決別宣言
第4話は、「あなたの人生の前では、どうだっていいものなんですよ」というタイトルではじまりました。転職の魔王様、来栖嵐(成田凌)の元カノ・剣崎莉子さんがいきなりシェパード・キャリアに訪ねてきて波乱の回になりました。剣崎さん演じる岡崎紗絵さんは、これからの結婚も考えつつ将来のキャリアを迷う30歳の女性を演じました。剣崎莉子という名に暗示されるような何か鋭さを秘めつつも、来栖との別れのシーンは魅せました。人生のクロスロードで交差していく男女。お互いまた異なった相手と幸せになっていってほしいものです。
▶【転職の魔王様】4 岡崎紗絵さん演じる来栖嵐の元カノ 転職しない宣言
第5話は、「仕事に夢を見ないのはご自由です」というタイトルでした。28歳で転職歴3回の戸松卓郎さんを演じる葉山奨之さんの澄んだ瞳と静かな絶望が印象的でした。戸松さんの恋人が亡くなったその事故こそ、転職の魔王様、来栖嵐の人生の転機でした。来栖は担当できず、その代わりとして未谷千晴(小芝風花)が初めて一人でキャリアアドバイザーを務める回です。このドラマ『転職の魔王様』の流れの中で、未谷にとってとても重要なステージになりました。「私は、私がいいと思うキャリアアドバイザーを今からやります」。キリっとした小芝風花さんが素敵でした。
▶【転職の魔王様】5 小芝風花さん演じる未谷キャリアカウンセラー宣言
第6話のタイトルは「転職は決して生きがいにするものではありません」です。大活躍の宮野真守さんが「転職王子」と呼ばれる八王子道正さん熱演しています。怪演というべきでしょうか。6回転職し39歳にして7回目の転職をすべくシェパード・キャリアを再訪する八王子さん。大いに笑ってしまう回ですが、宮野真守さんは透明な哀しみを残してくれました。最近あまり云わなくなったピーターパン・シンドロームという言葉を思い出しました。八王子さんは起業へと舵をきっていきます。
▶【転職の魔王様】6 宮野真守さん演じる39歳転職王子 起業・独立宣言
第7話では「人も会社も、いつだって変わることができるんです」という来栖嵐の言葉がタイトルです。ゲストは皆川晶穂さん、30歳。大学卒業後医薬品メーカーに入社して8年。優秀な営業でしたが激務で離職しました。黒川智花さんが愁いをおびた難役を好演しています。結婚・出産・育児と女性のみならず社会が取り組んでいかなくてはならない課題の中で翻弄される黒川さんの痛みをみていく回でした。私は幸せを逃がしてしまわないという視点でみていました。
▶【転職の魔王様】7 黒川智花さん30歳製薬会社営業:優等生卒業宣言
第8話は「あなたの人生に責任を持つことはできません」というタイトルではじまりました。今回のゲスト求職者は28歳のフリーター、石岡遥太さんです。演じる飯島寛騎さんが巧みで大人というより少年のような頼りなさが切ないです。「転職の魔王様」来栖嵐(成田凌)と別の転職エージェントに勤務する「転職の天使様」天間聖司(白洲迅)の一騎打ちも見もので、未谷千晴(小芝風花)のあわてぶりが楽しめる回でした。
▶【転職の魔王様】8 飯島寛騎さんフリーター:されど正社員へ転職宣言
第9話は「ひきこもりに生産性がないなんて誰が決めたんですか」というタイトルでした。今回はシェパード・キャリアの洋子社長(石田ゆり子)の恋人がゲストで石田ゆり子さんの回でもあります。43歳の元小学校教師、五十嵐君雄さん。突然教職を辞し10年間自室に籠ったままでいます。金子ノブアキさんが哀しみを漂わせ好演されています。私はドラマに引きこまれてしまいました。そして10年の後に希望を見出す物語でした。それはみんなの希望でもあります。
▶【転職の魔王様】9 金子ノブアキさん元教師:10年後の社会復帰宣言
第10話のタイトルは「転職はあなた1人の問題ではありません」でした。今回は、大手レストランチェーンのシステム室勤務の38歳システムエンジニア、矢吹健一(高橋光臣)さんがゲスト求職者です。転職を巡る夫婦の物語でもあります。わが未谷千晴(小芝風花)は、この回でキャリアアドバイザーとして独り立ちしますが大いなる試練に直面する回でもありました。転職の魔王様、来栖嵐(成田凌)との出会いのエピソードはキラキラしていましたね。
▶【転職の魔王様】10 高橋光臣さん年収2倍撤回:夫婦合意の転職宣言
そして第11話。最終話のタイトルは「夢をあきらめろなんて言うつもりはありません」でした。タイトル通り、“夢”を巡る回です。商社時代の同僚、児玉雄一郎(小関裕太)さんと、3年前の求職者、滝藤航平(駿河太郎)さんの来訪によって来栖嵐が転職について惑うことになりました。未谷千晴(小芝風花)は師匠の来栖嵐にキャリア面談を申し入れます。転職の魔王様、来栖嵐(成田凌)と未谷千晴(小芝風花)のこれからの未来を予感させる素敵な最終話です。
▶【転職の魔王様】最終話:成田凌さんと小芝風花さん未来への希望宣言
この「転職の魔王様」は、過酷な夏の流れの中でオンエアされました。善意と希望が心に残る素敵な夏になりました。ご拝読いただきありがとうございました。