【転職の魔王様】8 飯島寛騎さんフリーター:されど正社員へ転職宣言

TVドラマ(月10)「転職の魔王様」第8話は、転職の魔王様、来栖嵐(成田凌)と別の転職エージェントに勤務する転職の天使様、天間聖司(白洲迅)の対決が見ものです。魔王様と天使様の間にあって右往左往する未谷千晴(小芝風花)のあわてぶりがコミカルです。未谷のキャリアアドバイザーとしての成長も感じられる回でもあります。彼女は仕事の面白さを感じ始めた頃でしょうか。

●キャリアアドバイザーの支援方法は人によって違います。

●雇用される働き方とフリーランサーの働き方とで共通して求められる資質とは?

●定着してはじめて転職は成功といえます。

それではみていきましょう。

第8話のタイトルは「あなたの人生に責任を持つことはできません」です。原作『転職の魔王様2.0』(額賀澪・著)第2話のタイトルもほぼ同じです。今回のゲスト求職者は28歳のフリーター、石岡遥太(いしおか・ようた/飯島寛騎 好演)さんで、観ていて少し痛々しい転職活動になりました。

石岡さんは自称フリーライターですが、三年程前にライターの仕事も途絶えて、現在は飲食店等のアルバイトで生計をたてています。フリーランスというよりもフリーターとみていいでしょう(石岡さん本人はフリーターと呼ばれるのをひどく嫌いますが)。

石岡さんの将来にとって、今回の転職はいい転機となるのでしょうか?そのようなことを一緒に考えていきたいと思います。

私はキャリアカウンセラーとして本当に沢山の失業者、転職者をみてきましたが、28歳でフリーターから正社員への転職を目指す人には一度も面談の場で出会ったことがありません。その意味で第8話はとても興味深く、自分自身がカウンセリングするような気持ちで石岡さんを見詰めていました。

転職の魔王様と転職の天使様の対照的な、まったく正反対の係わり方はさることながら、魔王様も天使様も本当は石岡さんのこれからの人生をおもんばかっての支援だということは共通しています。来栖は厳しく、天間はひたすら優しく。未谷は天間の係わり方に惹かれました。

ここでは、キャリアコンサルタントの私がみた20代石岡さんの過去・現在・未来のキャリア設計について私見を述べたいと思います。

この記事を読むことによって「転職」という枠を越えて、自分のキャリアを開発するということについて何らかのヒントが提供できればいいなと思っています。

それでは一緒に石岡さんのキャリア人生をみていきましょう。

28歳で自称フリーライターの石岡遥太さん。フリーライターから正社員になりたいというのが石岡さんの希望です。しかし本当のところはアルバイトでは生活の見通しが立たないというのが真相のようです。

転職の魔王様、来栖嵐(成田凌)と転職の天使様、天間聖司(白洲迅)が別々の転職エージェント同士でありながら同時に石岡さんを担当することになりました。ふたりの支援の仕方が対照的で、そのおかげで石岡さんの人物像が立体的に浮かび上がってくる面白さがありました。

天間聖司の薦める好条件の「ほっとニュース」求人、記者・ライター職(正社員)に応募を決めた石岡さんをみていて、「これは、もたないかもしれない」と私は思いました。

実際に転職してすぐに辞めたくなる人、辞めてしまう人はとても多いのです。転職につきもののこの問題はあまり語られることはありませんが、本当にとても多いです。私も就職した人の定着支援に携わる機会を二年程経験しましたが、うまくいかない方は少なくないという印象を持っています。

その理由は次のことが考えられます。

❶スキルのミスマッチがあるのに、本人と会社双方が気づけなかった。

❷企業文化の違いは想像以上。新しい会社への適応は力技が必要とされる場合もある。

❸転職活動の時期と入社してからの数か月は転職者のメンタルに負荷がかかりがちである。

石岡さんの転職理由は安定した収入を得たいというものかと思います。友人の結婚式の二次会で飲んでいる石岡さんは就職した仲間たちの昇進や結婚の話に対して、精一杯虚勢を張っています。石岡さんは、自分自身を等身大よりもずっと大きくみせようとしています。フリーライター一筋といいます。しかし現実は今、飲食店のアルバイトで食いつないでいます。

原作では大学時代に先輩に紹介されたウェブライターのアルバイトで収入もあり、就活をすることなくそのままフリーで仕事する道を選んだという経緯が記されています。あまり目的意識もなく人生の選択をした(あるいはしなかった)石岡さんです。就活で繰り返し不採用を乗り越えて道を切り開いた経験はありませんでした。ウェブライターの仕事も途絶えて、3年前からアルバイトで食いつないできました。28歳にしてやっと雇用される働き方に舵をきった訳です。

石岡さんが痛々しいのは、本当の自分を見詰めずにファンタジーの世界にいまだ住んでいるところです。演ずる飯島寛騎さんは、自信家の顔と失意の顔を巧みに演じ分けています。その屈託ない笑顔をみていると、青年というか学生という感じで、就職して社会規範の中で揉まれて大人になってこなかった気がしてきます。

石岡さんは、応募した「ほっとニュース」に内定をとったものの、わずか二週間足らずで退職願を出し、音信不通になってしまいました。音信不通にして、良いわけがありません。

転職の天使様・天間に対して「あんたのせいで、期待がすごいんですよ」と他責志向です。

本当は、そろそろ自分自身に向き合わなくてはならない時です。他責のままでは成長は見込めません。現実から逃避しファンタジーの世界に住んでいて幸せになれる訳がありません。

もしも石岡さんが、PV数の上げ方等、ウェブライティングにおけるSEO対策を徹底して学んで身に着けていたならば、あるいはフリーランスとして生きていける道も開けたのかもしれません。

会社で仕事するにしても、フリーランスで生きていくにしても、求められる能力に共通項があると思います。

❶人から信頼される力。

❷コミュニケーション力。

❸状況判断力。流されずに生きるために。

❹専門性を磨く(学習する)力。

❺柔軟性と適応力。

そのようなことを日々身に着けながら、ビジネスマンとしての自分をつくり上げていく。石岡さんは雇われる生き方をするにしても、フリーランスでやっていくにしても、自分を変えて行く必要があるように感じます。

そんな思いを込めて「あなたの人生に責任を持つことはできません」という言葉があると思います。

私は私の人生に責任を持つ」というスタンスを、石岡さんはきっと持ってくれると信じたいです。

いろいろあって「ほっとニュース」に戻ることにした石岡さんは、プライドは捨てて、徹底的に学びながら仕事をし、周囲の仲間たちとも協調しあって生きていってほしいです。等身大の石岡さんとして成長していってほしいのです。

第8話の終わりの方で、転職の天使様の天間は、「シェパード・キャリア」に転職してきます。予想外の展開でした。

そういえば、天間が「僕、(来栖を)怒らせちゃいましたか?」という問いかけに、未谷が「平常運転です」と応えるあたり、笑ってしまいました。

来栖と未谷は迷コンビです。未谷演じる小芝風花さんが明るいキャラだからでしょうね。

さて、転職の魔王様の第8話から転職についての学びを簡単に整理しますと3点あります。

❶転職は定着してこそ成功したといえます。入職後半年間が勝負です。

❷専門性を磨きまくる気概を持ちましょう。会社員もフリーランサーも。

❸「私は私の人生に責任を持つ」。それが大人としての基本です。

転職の魔王様、あと2回。

次週の第9話では、どのようなドラマをみせてくれるでしょうか?とても楽しみです。

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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