【転職の魔王様】6 宮野真守さん演じる39歳転職王子 起業・独立宣言

転職の魔王様CM

TVドラマ(月10)「転職の魔王様」第6話(8月21日)では、声優で俳優としても活躍中の宮野真守さんが「転職王子」と呼ばれる八王子道正(はちおうじ・みちまさ)をコミカルな演技とシリアスな演技を織り交ぜて好演しています。6回も転職し39歳にして7回目の転職をすべく転職エージェント「シェパード・キャリア」を再訪しました。

迷える子羊を導く「シェパード・キャリア」で既に2回転職支援を受けてきた彼。役名の八王子から転職王子というニックネームがうまれたのでしょうか。名前の道正には「道を正す」という意味が込められているのかもしれません。第6話は八王子の道を正す回でもあります。

第6話には「転職は決して生きがいにするものではありません」というタイトルがつけられています。例によって転職の魔王様、来栖嵐(成田凌さん)が面談中に「転職王子」を諭す言葉です。八王子のケースでは、転職回数とその理由、そして出世について考える機会を私たちに与えてくれます。

●転職回数が多いと転職では不利なのか?

●出世は、はたして幸せなことなのか?

●アラフォーに企業が求めるものは?

それではみていきましょう。

キャリアアドバイザーになりたての未谷千晴(小芝風花さん)は、正式に入社してはりきっています。転職王子・八王子に対して真剣に向き合います。彼女からは自分事としてクライエントについて考える様子が伺えます。八王子の真の転職動機を探り出せたのも彼女の功績でしょう。本当の転職理由を八王子本人も自覚してはいませんでした。未谷が八王子の将来を真剣に案じる気持ちが転職の魔王様をも動かします。八王子本人も言語化できていなかった転職理由とは何なのでしょうか?

私自身7回の転職を経験してきましたが、キャリアカウンセラーとして自慢にはなりません。転職には様々な変数があり、転職せざるをえない変数もまたあります。解雇や雇止めはその一例です。一概に転職は「いい、悪い」といえるものではありません。しかし自分で望んで転職してきた転職王子・八王子は明らかに人生の岐路に立っています。来年40歳になる彼はまだそのことに気づいていません。

ここでは、転職の魔王様:第6話で人生の岐路に立つ八王子が下した決断について、一緒にみていきましょう。この記事によって、転職回数についての考え方の基本、キャリア形成の基本のひとつがわかると思います。

それでは「転職の魔王様」をテキストにして、楽しみながら一緒に学んでいきましょう。

まず最初に、八王子の転職理由を明らかにしていきます。

八王子道正。6回の転職を繰り返してきた39歳。不動産営業17年目。営業マンとして不動産会社「エイダン不動産」に勤務して3年。新築および中古マンションの販売を担当し何度も売上トップで表彰されている優秀な営業マンです。

その彼が転職を希望する理由とは何でしょう?

今回の転職支援を担当することになった来栖と未谷に対して、八王子は次のように転職理由を述べました。「飽きちゃったんです」。「飽きちゃった」・・・なかなか聞けない言葉ですよね。不動産営業に飽きたのではなく、今の職場に飽きたのだといいます。

実は上司から八王子は昇進を薦められている状況でした。そこで居心地の悪くなった八王子は転職を決意したようです。希望職種は彼の能力を発揮できる不動産営業です。ノルマ達成がすべての職場ですが、八王子はそれをクリアすることができるチカラを持っていました。

八王子がノルマを達成し続けられるのには、ちゃんとした彼の努力があります。顧客へのアポ取りのシーンでそれが描かれます。詳細な顧客リストをつくっており、顧客ニーズを商談の中で具体的におさえています。だからこそ優秀な成績を維持し続けているのです。

そんな彼ですが、本当は、出世したくない。そう思っています。今まで上司をみてきて幸せそうにはみえなかった。ノルマ達成のために怒る上司をたくさんみてきました。だから出世はいやなのです。責任を負わされるばかりで楽しくない人生・・・。本当の転職理由はそれでした。出世を打診されるたびにほぼ転職してきて6回の転職を繰り返し、ふと気づいてみれば来年40歳になる八王子だったのです。

それでは採用する企業の方は、転職者をどう捉えているのでしょうか?

39歳に企業が求めるものが何なのかがよくわかる面接シーンが用意されていました。不動産販売会社の面接に臨んで、予想外の不採用に八王子は動揺します。一緒に面接を受けた30歳の真面目そうな男性が採用されて、八王子は選ばれませんでした。何故でしょう?

「キャリアアップについてどう思いますか?」という面接官の質問に、「キャリアアップには、あまり興味がないんですよ。現場でバリバリ働く、心は20代の営業マンなので。誰よりも結果を出す自信があります」。自信満々にそう答える八王子。39歳の彼は企業が自分に求めていることがみえていなかったようです。

企業は彼に、キャリアアップして、然るべき責任を担えることを求めていました。

転職の魔王様・来栖嵐は言います。

ー企業からしたら、決して安心して採用できる人材ではない。39歳の人に企業は期待しているのですよ。実績と能力のある人間に責任ある立場で活躍してほしい。なのに転職を繰り返す前提で、転職活動をし続けている・・・。

ロールプレイゲームをするゲーム感覚で転職をしてきた八王子の痛いところを突きます。

八王子は今まで避けてきた出世を受け入れてみることにしました。班をまとめる班長になったのです。

ここで転職回数についての考えを整理しておきましょう。

転職回数は、当然ながら多ければいいというものではありません。むしろその逆です。日本の場合、今までは転職回数が多ければ多いほど不利になる場合がほとんどでした。それは何故でしょうか?

英語圏では「ジョブホッパー」という言葉が使われます。

job hopper:職をころころ変えていく人という意味合いです。八王子は2〜3年で転職を繰り返してきました。まさにこのジョブホッパーにあたります。

採用面接で不利になるのは、ずばり「定着しない人」という判断をされてしまいがちだからです。採用してもすぐに転職してしまう可能性が高いと見做されます。採用にはコストがかかりますから、すぐに転職されてしまえば、企業はいい採用をしたとは考えません。しかし転職回数の多い人も悲観する必要はありません。それなりの戦略はあります。歴史は変えられなくても未来を変えることはできます。

ここで、出世ということについても考えてみましょう。

班長になった八王子は、そこで何をみたのでしょうか?来栖の助言で出世を受け入れて、転職するのは止め、今まで経験してこなかった上司になった八王子。

そこで、彼は、今まで嫌っていた上司と同じ反応でノルマ未達の部下を叱る自分に出会います。いろんな上司をみてきて・・・こうはなりたくはないという人物、数字やノルマに追われて幸せそうじゃない人物。一番なりたくなかった上司に自分がなってしまった八王子は、あらためて仕事をする意味を自問自答せざるをえませんでした。

転職の魔王様・来栖嵐はこう語りかけます。

ーあなたはどんな上司になりたいんですか?

ー夢はなんですか?

ーせっかく出世をして部下をもっても、夢のひとつも語れない・・・

貴方の人生、このままでいいんですか?

八王子の中で何かが起きました。

楽しく仕事がしたいんです」。その思いを叶える道はひとつではないでしょう。

未谷は八王子をみていてこう思いました。「自分を変えることなく、楽しく生きていける社会の方が、優しくていいんですけどね」。

それを形にする道としての独立。独立という道もありなのかもしれません。やがて彼は、独立・起業することに舵をきりました。

八王子が独立を決心する前段には、彼の部下が感謝とともに伝えた言葉がありました。

ー八王子さんが上司だったら、心折れて辞めずにすんだ人 一杯いたと思います・・・。

その言葉も独立への後押しをしたように思います。

来栖は「夢がみつかったなら後は覚悟を決めるだけ」という言葉で八王子に迫ります。

今までの悪習のない「楽しく仕事ができる」不動産販売会社を、八王子ならばつくれるかもしれません。それが八王子の夢になったからこそ、独立・起業を目指すことにしたのでしょう。

さて、転職の魔王様:第6話から転職やキャリア形成についての学びを簡単に整理しますと3点あります。

❶20代とアラフォーでは、会社が求めているものは違う。

❷転職の多さの奥にある真の理由は、自分でもわからないことがある。

❸自分の夢を失わずに将来の可能性を追求することは大切である。

第6話では、未谷が空に天使の梯子(はしご)をみるシーンがありました。幸運のシンボル、天使の梯子。「シェパードキャリア」恒例の納涼暑気払いでは屈託のない未谷の笑顔をみることができました。パワハラを乗り越え安心して仕事している未谷がそこにはいます。

さて次回は、どのような転職のドラマをみせてくれるでしょうか?楽しみです。

【転職の魔王様】第7話:黒川智花さん30歳製薬会社営業職:優等生卒業宣言

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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