前回にひきつづき、先崎守さんのキャリアを簡単にご紹介します。
現在35歳。東証一部上場の会社のIT部門で勤務されているエンジニアです。大学の経済学部で学び、卒業後システムソフトウェア会社に就職。就活はリーマンショック後の大変な就職難の時期でした。その会社で6年ほど勤務し、最初の転職を決意されました。資格取得を目指す教育機関のIT部門に専門職として入社。そこで新コロナ禍の只中3年間勤務した後、昨年二回目の転職をされました。その転職先で満一年を経過し、このキャリア面談を受けられました。
[ここでは、最初の転職を決めるまでのプロセスと、転職してみてどうだったかをご紹介します。]
cc:最後にその、転職に踏み切ろうという決意、それを固めたいきさつを、もし差し支えなければ聞かせていただけませんか?
先崎:繰り返し、といいますか、客先常駐という形のシステムエンジニアということで、どうしても現場を転々とすることになるんですね。もちろん、人によって、長くその現場に3年という方もいれば、本当に1ヶ月、3ヶ月という短い期間の方もいて。私はどちらかというと後者で長くて1年半、みじかくて3ヶ月、ということがありまして、そうすると、やはりその当時28歳くらいですか、この働き方をずうっとやっていくうちに、しんどいかもと思うようになってきました。その当時は身体も大丈夫だったのですが、ちょっと働き方を変えた方がいいのかなと。自分なりに。技術を追い求めていくのも、自分の中ではそろそろ厳しいのかな・・・と。
cc:うむ。
先崎:きついといっても仕事としては勿論するんですけれど、ひたすらプログラミングを極めていくタイプではないんだろうなと。
cc:では、その転職をしようかっていうふうに思った時の何かエピソードというか、やはりパワーがいることだと思うんですけれど、どうですか、転職しようと思ってから、次に決まるまで当然仕事をされていたと思うんですが。
先崎:ええ。
cc:その転職活動の時の思い出っていうか、何かエピソードというか、よろしければ。
先崎:その年でいうと2月くらいですかね、いったんdodaという転職エージェントを通して面談をしたんですが。
cc:ほお
先崎:その後に、その当時の現場が忙しくなりということもあって、その面談のタイミングでは話しが先に進まずに、ちょっと止めていたんですね。で、その現場がひと段落した時点で、再度dodaにコンタクトをとり、面談をして、あらためて活動をしたということです。
cc:なるほど。転職エージェント、たくさんある中でそのdodaを選んだというか、なんかその、自分の中でここかなと思ったことはありましたか?
先崎:はい。2月ごろにdodaが開催していた合同転職説明会に行く機会がありまして、まあそこで集合的に受けてみて、どういう転職市場なのかをみました。それでその関りもあったので、その流れでいったん今回はdodaでやってみようかなあと。
cc:なるほど。まずはdodaを使ってみようかなぁと。
先崎:いきなりエージェントを2、3選んだりというような話はきいていたんですけれど、ちょっとそれで進めていくのは最初は難しいかなぁと。まずは1つで。案件も、いろいろ提案してくれていたので。
cc:そのdodaの中では担当者といいますか、ひとりといいますか、専任だったのですか?
先崎:面談の時ふたり位で。いくつかこういう企業がありますよ、とか。
cc:二回目に本格的にやろうかなと思った時から、その内定をもらうまでにどのくらいの期間でしたか?
先崎:3、4ヶ月位ですかね。
cc:そうなんですね。それで内定がとれたときはどんな感じでしたか?
先崎:五月くらいでしたか。決まってよかったなあ、と。
cc:決まって次の会社に。その初出勤はいつごろだったのですか?
先崎:七月のあたまでしたね。
cc:五月に決まって、二か月後。
先崎:はい。
cc:七月から。どんな会社に内定を決めたんですか?
先崎:そこは1社目のソフトウェア会社の業界ではなく、社内エンジニアということで。
cc:うむ。
先崎:その会社自体は資格取得のための教育機関でした。
cc:ここが自分の活躍する場所としていいのではと思ったのは、なにか、こういう部分とかありますか?
先崎:その二社目に結果的になったのは、再活動し始めたエージェントとの面談で候補の中に実は含まれていたんです。
cc:ほほう。
先崎:その中で最終のところまでいき、決まったところでもありましたし、場所も丸の内にあって(場所だけで決めたわけではないのですが)、会社に勢いもあるんだろうなあ、と。何回か話しもさせていただいて、その説明の中でワークライフバランスということも謳っている企業でありましたので、働き方としては、前職と比べれば、ある程度自分で仕事をコントロールできるかなと。
cc:なるほど。
先崎:それで決めました。
◆再び転職しようと考えるようになった訳。
cc:先崎さんはその転職した会社に何年くらい勤務されたのですか?確かもう一回転職されましたよね?
先崎:はい。その会社には3年3ヶ月というところですか。
cc:なるほど。転職して、ご自分がここならいいだろうと思われたことと、いや再び転職しようと思われた、その落差というか、一言でいうとどんな動機があったのですか?
先崎:働き方については、当初の見立て通りでした。社内のエンジニア、社内のシステム、ITに関わる仕事ということで、やらせてもらって、経験としてはいろいろなことをさせてもらったかなと思うのですが、ただどうしても会社もコロナ禍の中で具合が悪くなっていき、働き方もやはり制限されていきました。
cc:コロナ禍。
先崎:結果的に、ほとんどいわゆる会社としても休業するような・・・。IT部では私はまだ勤務していた方でしたが、ひどい場合は週に1、2日位しか出社できないような方もいる状況でした。ただこの働き方はずっとは続かないだろうなとは思っていましたし、私も制限される中で、システムのいわゆる立ち上げの部分で関わることはありました。自分も当初とは違って、HPの運用の仕事が中心になっていきました。ただ私としてはHPの運用がしたくて二社目に転職したのではなかったので、これをずうっとやり続けるのもなぁという幻滅はありました。
cc:例えば人間関係とか、会社とのなんらかの価値観の相違というものもあったのでは?
先崎:どうしても人間関係では、避けられない部分はありましたね。会社の規模から、いわゆる家族経営から飛躍した部分がありましたので。どうしても狭いところでいろいろ言われる感じでした。二転三転するというのは、その会社に限ったことではありませんが。会社というお家の中で仕事する中で、いろいろ別の処から、横やりが入る感じがどうしてもありました。
cc:あんまり自分が期待するほど、自分の仕事の仕方について任せてもらえないような、そんな感じでしたか?
先崎:昨日のお昼ぐらいまでOKだったことが急に変わるというような。朝令暮改というんでしょうか。
cc:ふむ
先崎:作業だけであれば、結果的に楽かもしれませんが、社内調整をIT部の私が逆調整するようなことが多くて。経験としては今思えば、経験して悪いことではなかったと思いますが。
cc:うむ
先崎:それがずっと続いていって。そんな感じだったので。これは少し大変だったかなと思います。
(以下つづく)