転職のリアルⅤ:秋月誠さん(31歳)のケース:ゲーム業界との接点

cc:(誘われた会社には)入らなかった・・・。

秋月:結果として入りませんでした。少しミスマッチがあったというか。むこうは私が会社を辞めてまで入って来るっていう本気度。一気に動いてくるっていう本気度とは思っていなかったようで。

cc:うむ

秋月:新しい小さな会社だといっても動画のできる人を新しく入れたくて。話を通さぬまま、結果的に彼らがこの人いればいいと思っても、彼らの独断で決められないような・・・。今思えばそうだったんだろうなと思います。 言葉を濁されており、実際動画の仕事はどうかというと今着手したところでまだ評価できていない。これから事業化していくとなると当然それ以外のことができなければならないから、会社に入るまで、少しアルバイト的な感じで来てみないかと。

cc:アルバイト・・・

秋月:いろいろ聞いてなかった話が出てきて。

cc:どうもお話が変わってきたようですね。

秋月:その割に、引き留めのためかわからないのですが、頻繁に一緒に飯を食べないかとか、会わないかみたいな感じで。接触機会をもうけられて・・・。最初は行きたいなっていう気持ちだったのですが、実際自分は会社を辞めてしまってるんで。バカだったなと思ってるんですけど。

cc:うむ

秋月:別の候補というか、別の選択肢を用意しなければちょっと危ないという思いになってきた。大学の先輩からの伝手(つて)があって、ゲーム分野のマーケティングとか広告とかそういうことをやっている会社を紹介されました。

cc:それまでどれくらいの期間でした?会社を辞めてから、そのお友達からゲームの代理店という、もう 1 つのオファーが来るまでどれくらいの期間でしたか?中途半端で、かなり不安定な感じだったと思いますが、何ヶ月もですか?

秋月:自分の感覚では1〜2ヶ月くらい。その間預貯金が減っていく恐怖を味わっていました。

cc:恐怖・・・。

秋月:ええ

cc:恐怖を味わったという事件なのですね。

秋月:あっという間にお金がなくなっていくという経験でした。大学の先輩からの話では、オファーというか、会社につなぐことはできるよっていう感じでした。

cc:応募してみたら?という感じですか?

秋月:そうですね。縁故採用という感じで。面接と課題がありました。あるゲームを想定して、あなたならどのようにプロモーションしますか?という課題でした。割と興味深い課題で。こういうCMを打ちますよとかいう提案をして、この人は感度があると云われて。

cc:感度があると云われて。

秋月:ゲームって、そうした文化を理解していないとなかなか仕事をやっていくのは難しくて、その分野にアンテナが立っているかを問われます。条件面をクリアして、来てくださいと云われました。当初あった会社のアルバイトの誘いにくすぶっている時で。

cc:くすぶってる・・・

秋月:あまりそこに時間をかけるつもりもありませんでした。

cc:大学を出て、Web制作会社でクリエイターをなさってきた秋月さんですが、今度は全く新しい分野ですよね。マーケティングやゲームというものに対して感度があり、お好きだったんでしょうかね。

秋月:そうですね。

cc:社長面接とかあったんですか?

秋月:一回目の面接はマネージャークラスの人が対応され、どういうキャリア、これまでどういう仕事をされてたんですか?それを聞かれ、そしてこの課題をやってくださいと言われました。その課題発表の時に社長がこられて、社長とそのマネージャーに対してプレゼンを行いました。その後講評があり「その課題で実際やるとどうなんだろう?」といったフィードバックがその場でありまして、例えば「これくらいだとこういうキャスティングをした方がいいかもしれないね」「これくらいはかかるから、ちょっと予算にはまらないかもしれない」と言われ、真面目なフィードバックをしていただいて。「ここはいいと思うし、やっぱりこう提案する時にアイデアは3つくらい出して、そこから選んでもらっている。そういうところ悪くないね」。悪いところも言ってもらえたので、信頼感を感じることができました。

cc:その時秋月さんはおいくつだったんですか?

秋月:26歳でしたか・・・

cc:そのゲームプロモーション専門の広告代理店ですけども、そこをまた転職するような流れになると聞いておりますが、何年ぐらい勤められたんですか?

秋月:2年と10ヶ月くらいでしょうか。

cc:そうなんですね。お仕事を取り戻されたということなんですが、いわゆる転職活動とは違って、自分の人脈で動いてこられたっていう風な認識でよろしいですか?

秋月:はい。

cc:入社にあたってのエピソードというか何かありますか?

秋月:もう一度働き出した時、ようやく自分がやりたい仕事を見つけたという確かな実感がその時あって、それは父親とも話した記憶があるんですけど。

cc:ええ

秋月:1社目はなんとなくキャリアをスタートしたというか、内定をもらったところで、もうこれで終わりにしたいという気持ちもあり、間違いはないという気持ちで入っていった会社でした。けれどもその後、多少人脈があったとはいえ、自分が好きなゲーム業界に出会い、しかも映像分野でやるっていうことは、結構それこそ大学の頃何となく自分がやりたかったことでした。好きなことで、物を作ったり、関わったりっていうところは、子供の頃なんとなくこういう仕事をしたいなと考えていたようなところにかなり近い会社でした。

cc:そうなんですねぇ。

秋月:クリエイティブな世界。クリエイティブなことに関われる感覚があって、ようやくカチッとハマったっていう感じでした。

cc:うむ

秋月:やりたいところに、ハマることができたという思い。それがスタートでした。

cc:いいですねぇ。そこで結構張り切って、頑張ってお仕事されたんじゃないかと思いますけども、思い出に残るようないいエピソードなどございますか?働き始めた自分のことを振り返って。

秋月:いい思い出・・・。小さな会社だったので、ひとりに任せられる仕事は多くて、裁量も任せられる。逆にこちらがどうしたいという考えがないと仕事が前に進まない。自分の知らないこともたくさんあり、知らないではすまされない。入ってみると厳しい世界でした。

cc:かなり実力主義の世界ですね。

秋月:はい、そうでした。

cc:そのかなり実力主義の会社で何かわからない時に、上司から教えてもらえるような、そういう仕組みと言いますか・・・。そのたくさんわかんないことだらけの部分はどうされてたんですか?

秋月:今思うと、そうですね。あんまり教えてくれない会社でした。

cc:ほほう。すごいですね。

秋月:飛び込んで、ぶつかってみて、どんな弾け方をするかみせてみろ。というような。

cc:すごいですねぇ。それはどなたの言葉ですか?

秋月:いえ、私のイメージですが。

cc:3 年弱そこで働いてきて、かなりお仕事としては大変だったようで、でもよくその中でやって来られましたね・・・。

(つづく)

転職のリアルⅥ:秋月誠さん(31歳)のケース:ダンケルク 生き残れ

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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