転職活動をしている時に「どうしたらいいんだろう?」と困るときが度々あります。
意思決定をくださなくてはならない時などは特に・・・。
そんなときチカラになってくれるクルンボルツ博士の「意思決定スキル」について別記事でご紹介しました。
実は、「意思決定」の方法には、定石があるんです。
クルンボルツ博士の「意思決定モデル」です。
彼の「意思決定スキル」を活用した「意思決定モデル」をここでみていきましょう。
「意思決定スキル」はわかったけれど、「意思決定モデル」って何?
一言でいえば、意思決定法のテンプレートのようなものです。意思決定スキルの使い方がよりクリアになります。
それではみていきましょう。
MindMap上の「意思決定モデル」の7つのステップを見てみましょう。
[意思決定モデル:アウトライン]
ステップ①:解決すべき問題を明確にする。
ステップ②:課題解決に向けての行動計画を立てる。
ステップ③:価値観を明確にする。
ステップ④:価値観をベースに選択肢をつくる。
ステップ⑤:起こりうる結果を予測する。
ステップ⑥:情報収集しながら選択肢を絞る。
ステップ⑦:決めた選択肢で行動を開始する。
この7つのステップを順を追って踏んでいきます。
①は課題の言語化です。②③④⑤は価値観に基づき複数の選択肢を考え絞ります。⑥は情報収集を選択に活かします。そして⑦はTake Action! 行動です。
複数のオプションからひとつの最適な解を選択するところがいいですね。他の選択肢はシミュレーションした結果、いさぎよく没にします。
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それでは実際のケースで、この「意思決定モデル」を使ってみましょう。
CASE:転職を決意したけれど、激務で転職活動が難しそうな場合の意思決定です。
ステップ①:解決すべき問題を明確にする。
解決すべき問題;激務で転職活動が出来なさそう・・・。
ステップ②:課題解決に向けての行動計画を立てる。
1)繁忙期が終わって閑散期は来るか?
2)それともずっと繁忙期が続くのか?
3)有休は使えるか?
これによって活動開始時期を定め行動計画をたてる。
ずっと繁忙期もしくは過重労働なら離職も検討する。
ステップ③:価値観を明確にする。
自分の転職理由を今一度確認する。
「ありたい自分」について言語化する。
「消耗しないで短期間に勝利する」という価値観に基づけば、それが価値観としての選択基準にもなります。
ステップ④:価値観に基づいて選択肢をつくる。
複数の選択肢を考える。
1)閑散期を待ち活動開始する。それまでは事前準備に徹する。
2)離職して短期決戦で再就職する選択肢を検討する。
3)報酬より働きやすさ、職場環境を優先させる選択肢。
ステップ⑤:起こりうる結果を予測する。
1)閑散期での転職活動の開始時期と期限を予測する。
2)貯金、雇用保険等、戦える軍資金について調べる。
3)短期決戦のつもりが長期戦(消耗戦)になった場合のリスクを分析する。
4)生活を維持できる報酬ラインを設定する。
ステップ⑥:情報収集しながら選択肢を絞る。
1)求人情報、会社情報を収集する。
2)失業のリスクについて検討する。
ステップ⑦:決めた選択肢で行動を開始する。
1)安全策を最優先する。
2)ひとつ選択して行動する。
「意思決定モデル」は戦略レベルから、今日のお昼は何を食べようか?等の日常的レベルまで、重層的に存在しています。その中で最適な答えを求めていくプロセスです。
それではここでの「戦略」は?
①から⑥までの変数に基づいて、あなたの最適な戦い方を考え練りあげた行動原理と方針です。
どのように意思決定すれば、あなたの価値観に基づき、最小限の負荷で最大限の成果があげられるか?それを言語化し考え行動するのです。
この記事で、あなたがクルンボルツ博士の「意思決定モデル」のフレームワークを学んでくれたならうれしいです。それを日常でそして転職活動で繰り返し試してみてください。
あなた自身のスキルとして身につけば、とてもうれしいです。
スキル=技術です。学べば必ず身につく技能です。
このBlogでは、別の「意思決定モデル」についてもキャリアカウンセリングの理論に基づいてご紹介する予定です。
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結論です。
戦い始めたら「意思決定モデル」を活用してみましょう。あなたの賢い転職戦略を練りあげるために有効です。
そのプロセスに基づいて言語化し方針を練っていきます。
そして自分の望む内定を手に入れましょう。
意思決定の起点は、戦う人、つまりあなたです。
あなた自身が考えて意思決定すること、そして行動すること。
この意思決定で、あなたがイニシアチブをとっていることが重要です。キャリアコンサルタントは、そんなあなたの意思決定を尊重し、そして成果があがるよう応援してくれます。
そしてどうぞ、あなたの支援者をそばにつくること、忘れないでくださいね。