転職活動している人、失業している人、なかなか仕事が決まらなくて悩んでいる人。
私もそのような状況を今まで何度も経験してきました。
そんな時、「行動をやめないこと」と「行動を空回りさせないこと」のふたつを意識しながら活動していたように思います。
マラソンに例えれば「完走する。リタイアはしない」。そんな決意で、走る自分を励ますもうひとりの自分がいました。
人生でちょっと苦しい時期かもしれませんね。そんな時、どのように自分自身を支えていけばいいのでしょうか?
実は、そんな時に出会ったのが、クルンボルツ博士でした。
クルンボルツ博士から「計画された偶然理論」を学びました。
プランド・ハプンスタンス・セオリー(Planned Happenstance Theory)
この理論に出会ったこともまた偶然でした。「プランド・ハプンスタンス・セオリー」という言葉の響き・・・何かはわからないのに、自分の中で「これだ!」と直感的に響くものがあり、繰り返し学びました。
従来のキャリア理論では、偶然の出来事を研究対象とするものはありませんでした。しかしクルンボルツ博士は「偶然」こそが人生を豊かにするものであるとの新説を唱えたのです。「偶然」をどんどん起こし自分の人生をよりよき方向へと進めていきましょう!そう述べたのです。
運をぐるぐる回せ!
そう励まされた自分がいます。
担当するクライエントが、行動しなくなってしまう(行動できなくなってしまう)ケースを本当に沢山みてきました。立ち止まってしまう前に、半歩でも行動し続ける心意気を持ち続けるには、ある種の決意がいることでしょう。それが自ら鼓舞することにつながる気がします。
ここで一冊の本を紹介したいと思います。
「その幸運は偶然ではないんです!」副題:夢の仕事をつかむ心の練習問題(ダイヤモンド社)。著者はクルンボルツ博士とレヴィン氏(キャリアカウンセラー)です。
クルンボルツ博士はスタンフォード大学で、先駆的なキャリアカウンセリング理論を発表しました。スタンフォード大学とシリコンバレーは近くです。私はシリコンバレーの起業家たちに大いなる影響を博士は与えたのではと密かに想像しています。
ここで、あなたの転職活動の士気をおおいに高めてくれるクルンボルツ博士の「計画された偶然理論」について、その著書とその理論をアウトラインで学びたいと思います。
これを学ぶことによって、転職活動の士気を高めることができるようになります。人生の転機とも呼べるつらい時期をどのように過ごしていけばいいのか?を学べます。
それでは、この本の目次をみてみましょう。
この目次を読むだけで、何だか勇気をもらえませんか?
「行動せよ!」「行動せよ!」と訴えかけてきませんか?
この本の帯には次のように書かれています。「転機を活かして人生を変えた人たちのほんの少しの勇気」。
原題の「Luck Is No Accident」。それがそのまま「その幸運は偶然ではないんです!」との邦題になっています。それではLuckはどのようにすれば幸運そのものになるのか?それをこの本では45人のケースを紹介しながら探っていきます。
P18に紹介されているケース「想定外の出来事がさらなる想定外の出来事を呼ぶ」では、クルンボルツ氏が学者になる道を開いたエピソードが紹介されています。テニスに夢中になり退学寸前1時間前に、テニスのコーチ(心理学教授)に相談に行き、退学寸前30分前に進路が決定したという何とも微笑ましい若きクルンボルツ氏のエピソードです。
彼はそのエピソードにおいて幼年期にまで遡りました。そのキャリアの決断に至るまでの無数の偶然を回想し、彼の行動の中に様々な出来事に対して積極的に参加してきた自分に気づかされたのです。
この本に興味をもたれた方は、アメリカ人の転機を活かしたエピソード集として気楽に読んでみてください。自分自身のヒントを得られる「計画された偶然」になるかもしれません。
さてそれでは次にクルンボルツ博士の「計画された偶然理論」をみていきましょう。
これは、クルンボルツ博士の「計画された偶然理論」の5つのスキルをMindMapにまとめたものです。
クルンボルツ博士は、どんどん偶然の出来事が起きるように計画し行動し、その予期しない偶然の出来事からキャリアの機会が生まれることを「プランド・ハプンスタンス」と呼びました。
運をぐるぐる回せ!そのなかから幸運をたぐりよせよ!そう言っている感じです。
偶然の出来事を「プランド・ハプンスタンス」=「計画された偶然の出来事」に変えていくための5つのスキルです。
ちなみにWeblio英語基本例文集には、次のように記載されているので参考までに引用します。
「In the Planned Happenstance Theory, it is believed that an individual`s career is decided by 80% unexpected events or chance encounters.
計画された偶発性理論では、個人のキャリア形成は、80%が予期しない出来事や偶然の出会いによって決まると考える」(引用おわり)
それでは「5つのスキル」を具体的にみていきましょう。
[5つのスキル:アウトライン]
①スキル:好奇心(Curiosity)
・新たな学びの機会を探しなさい。
②スキル:持続性(Persistence)
・失敗にめげずに努力し続けなさい。
③スキル:柔軟性(Flexibility)
・柔軟に姿勢や状況を変えていきなさい。
④スキル:楽観性(Optimism)
・新しいチャンスは必ず訪れる。
・それを自分のものにできると考えなさい。
⑤スキル:冒険心(Risk-taking)
・結果がわからなくても行動を起こしなさい。
そうです。
・行動するのです。
ここまでのアウトラインが「計画された偶然理論の5つのスキル」です。
「好奇心を忘れずに、小さな冒険心を大切にして、楽観的に、柔軟に、活動し続けよう!」
これは、アメリカのフロンティアスピリットに通じる理念かもしれません。
アップルを創業した故スティーブ・ジョブス氏の言葉の中にもこの理念が脈々と流れているように見受けられます。
転職活動のモチベーションを維持するために、また心意気として、この5つのスキルを活用してくれるとうれしいです。
結論です。
ここで「計画された偶然理論」のアウトラインについて学びました。そこで示された5つのスキルはあなたの中にすでに備わっているスキルです。そのスキルを意識的に、あなたの転職活動に活用してみてください。転職活動で、その5つのスキルを意識することによって、あなたは大いに士気を高めていけることでしょう。
そして必ず、あなたの道は開かれます。