失業したらまずこれを:3つの不安を飼いならす。不安を分解してみる

失業経験のない人が失業した時のことを考えてみましょう。

会社から離れて個人に戻ります。ひとりになったことを強く意識するかもしれません。収入が途絶えることに対して不安に思うかもしれません。

無理もありません。そんな時、非常事態(emergengy)だと感じるかもしれませんね。

一方で、すでに失業経験がある人は、今までの経験のおかげで、失業への免疫力が発動しやすいかもしれません。失業は日常とは違いますが、非常事態でもなさそうです。

私自身も何度か失業を経験し、解雇も何度か経験してきました。経験するにつれて、だんだん場慣れしていったことは否めません。キャリアカウンセラーとして、失業者の就労支援を十年以上やってきた私には、失業はほぼ日常的な在り方のように感じられるようになりました。

そして、失業したクライエントに対しては、普段と変わらない接し方で面談するようにしています。

「非常事態」と捉えることによって、クライエントが冷静さを失ってはいけないと思います。再就職するには、冷静に事態を把握して、応募活動をしていかなくてはなりません。もうひとつの日常を過ごしながら、穏やかに失業を乗り越えていけることが理想です。

不時着(forced landing)という言葉があります。

航空機事故を例にとってみましょう。主に天候不良や機体の故障、燃料不足等から、不時着する・・・。しかし不時着と墜落(crash)は違います。不時着ならば、乗員乗客は救助見込みがあります。しかし墜落はcrashです。

その意味で失業は不時着です。失業者は再起できます。行動していけば必ず再起できるのです。この不時着を「墜落」と誤認識すると、再起できるものもできなくなります。

不安に吞み込まれると、人は進むべき方向がわからなくなります。濃霧の中をレーダーもなく飛行するようなものです。現在位置も高度もわからず、管制官との交信もせず、ただ不安という感情にハイジャックされてしまう・・・。それは、回避しなくてはなりません。

私たちの毎日は、安全に離陸して、飛び続けなくてはならないのです。「不安」は前に進む推力のほんの一部として使い、「行動すること」に意識を集中すべきです。

一言に「失業」といっても、失業に至る事情はさまざまです。例えば突然の解雇を言い渡された人は混乱して、重度なストレスにさらされているといえるでしょう。従って不安も強いことでしょう。

ここでは、ほとんどの失業者がかかえる不安を3つとりあげて、少し整理してみたいと思います。不安をどう飼いならしていくかがポイントです。失業期間中、不安を鎮めていくことがとても重要な営みになります。

3つの不安というのは、経済的不安精神的不安心理的不安の3つです。どのような失業においても、本人が体勢を立て直し、前に向かって求職活動していけるようにしたいものです。

求職活動しなければ失業したままです。応募しなければ当然ながら内定は得られません。あたりまえのことですが、失業中応募しないまま数か月が経過してしまったという方は決して少なくありません。

応募し不採用が続いたとしても、あきらめず応募を継続していって、内定にたどりつくことが、失業者の再起への道です。

そのためには自分自身のコンディションを整えて、戦える状態を維持する必要があります。

3つの不安とうまく折り合いをつけるための工夫です。みていきましょうか。

1)経済的不安定期収入がなくなることからくる不安を鎮めます。

【対処法】

❶預貯金の残高、雇用保険の受給状況等から、今回の失業生活に使える現金額を把握する。

❷当座1ヶ月あたりの生活費を算出する。

❸固定費を削減する。サブスクを解約する。スマホは契約変更し支払いを押さえる。

❹生活費がショートしそうであればアルバイトする(日雇い可)。

❺いつまでに再就職すればいいかのゴールを決める。そのための計画をたてる。

2)精神的不安失業で傷ついた心と身体を癒す。そのための手段を講じます。

【対処法】

❶継続的にキャリアカウンセリングを受けるようにする。人に話を聴いてもらう。

❷ノートに記録する。自ら内省する習慣をとりいれる。

❸内向しない生活。外向的な生活を工夫する。スポーツ観戦。水族館。動物園。散策など。

3)心理的不安見通しがたたないという気持ちを鎮める工夫をします。

【対処法】

❶求職活動を粛々と進めるように努める。「求職活動は今自分の取り組むべき仕事」だと考える。

❷行動・活動に意識を集中する姿勢を維持する。

❸1日一時間だけ悩む時間を設ける。一時間経過したら打ち切る。

この3つの不安を上手に飼いならしていくことを目標としましょう。

経済的不安」は客観的に現金を把握し生活することによって緩和していきます。

精神的不安」は内面を言葉で表現し、努めて内向しない生活をすることで緩和します。

心理的不安」は、求職活動に打ち込むことによって鎮めていきます。

このような取組みを工夫することによって、自分自身をコントロールしていけるようにします。その試みです。

自分が操縦する飛行機のコックピットにいて、目的地に無事着陸するまでをイメージしてみてください。

あなたの穏やかさと冷静さが、あなたの安全をきっと守ってくれます。いいフライトを!

関連記事:失業したらまずこれを:再起を図るための7つの習慣。試してみては

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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