転機を理解し上手に対処する:シュロスバーグはそう考え整理した

自らすすんで苦労することはありません。私はそう思います。しかしこの世界で苦労が絶えないこともまた事実です。しかし苦労の中で、知っていれば対処できる事柄もあります。転機を理解し上手に転機に対処する。転機を知らないがために苦労することは出来れば避けたいものです。

学習するということは、あらかじめこの世界の地図と羅針盤を手に入れるようなものです。地図と羅針盤がなくて航海することはできません。空を飛ぶこともできません。海や空ではそうなのに、この地上ではどうして人は行き当たりばったりに行動したりできるのでしょうか。

「なんとかなるさ」。そうですね。なんとかなればいいのですが。

不安や混乱の中でうまく事態に対処して生きていくためには、ちょっとした智慧を先人から学んでおくのも一法です。

ここでは転職・失業など人生の転機と呼べる時期に、少しラクに、そして少しうまく乗り越えていける智慧を学んでいきたいと思います。転機に真剣に取り組んだキャリア理論家・シュロスバーグによる「転機」の捉え方についてご紹介します。自分自身のケースに置き換えて考えてみると、とてもわかりやすいと思います。

自分の身に起きた転機というものを理性的に捉えなおして、その転機にうまく対処するための「転機」の捉え方です。

シュロスバーグの「転機」の捉え方について、MindMapにまとめてみました。

【シュロスバーグの理論】:日本マンパワー「キャリアカウンセリング養成講座」の理論TEXTに基づいて作成しました。

このMindMapを時計回りにみていきましょう。

転機の【定義】⇒転機による【変化】⇒転機の【評価】⇒転機に与える【影響度】⇒転機の【起こり方】です。

さらっとみていきましょう。

□転機の【定義】

event:「ある出来事が起こる」ことです。失業する。転職せざるをえない状況に置かれる。転勤する。会社が倒産する。etc.

non-event:「期待したことが起こらない」ことです。なかなか就職できない。昇進・昇給が見込めない。etc.

ある出来事が起こったり、期待していたことが起こらなかったったりすると、あなたの生活には変化が生じることが考えられます。それが「転機」のはじまりとなる場合があります。

□転機による【変化】

1)「役割」:

失業したり次の仕事がなかなか決まらなければ、職業人としての役割が失せ、会社への帰属性はなくなってしまいます。

2)「関係」:

元の会社の人々との関係が失われたり、配偶者との関係がギクシャクしたりするかもしれません。

3)「日常生活」:

働いていなければ給料はもらえず、従って日常生活に影響がでることが考えられます。

4)「自己概念」:

傷ついてしまう場合もあります。自己概念の中でふだんはあった自信が失われてしまうことも考えられるでしょう。

□転機の「評価」:その転機は乗り越えられそうか?どうなのか?それをアセスメントします。

視点1)「深刻さ」・・・・・・収入が途絶えた生活をしばらくはまかなえるでしょうか?

視点2)「タイミング」・・・・順境に起きたことか(逆境か)?そのタイミングによって転機のインパクトは変わります。

視点3)「コントロール」・・・制御可能か?流されるままになりそうか?とるべき選択肢はないでしょうか?

視点4)「持続性」・・・・・・転機のその状況はいつまで続きそうなのか?

□転機に与える【影響度】

要因1)「転機そのもの」・・・その転機の影響度は、本人にしかわからないケースがほとんどです。

要因2)「本人」・・・・・・・その転機を乗り越えるスキルや方策が自分にあるでしょうか?

要因3)「支援システム」・・・自分を支えてくれる機関や友人・家族はどうでしょう?ありますか?

□転機の【起こり方】

1)「予期しなかった」・・・・失業、病気、事故、死など。予期しなかった形で転機は起こります。

2)「自分が起こした」・・・・転職、転勤、復学。自分で意図して起こした転機です。

3)「ライフステージ」・・・・卒業する、定年退職するなど。ライフステージ上で転機は起こります。

私は最初にこのシュロスバーグの転機の整理の仕方をみたときに、本当に感心してしまいました。

ここに整理された項目で、さまざまな角度から自分自身の「転機」を理性的にとらえようとする姿勢に、情緒的な自分は圧倒される思いでした。しかし少しでも冷静になってこの転機に対する捉え方を用いて自己理解が進められれば、メンタルの維持や役立つ行動計画の立案、その実行に大いにチカラになってくれると思います。

キャリアコンサルティングでは、クライエントの今置かれた状況を明らかにしていくために、自然にここで体系化された内容を問いかけていき、クライエントの現在位置への理解が深められるように進めていきます。

不安や混乱の最中にあるとき、普通の生活をしているときには冷静に判断していける事柄が、思うように整理できないこともまた多いです。

そういう時にこそ、信頼のおける友人に相談したり、私たちキャリアコンサルタントを使っていただきたいと思います。

ここで紹介した「転機」の捉え方は、知識としては30分くらいで学べる事柄ではないかと思います。本当につらく見通しがつかない時に、このことを知らないで臨むよりは知っていた方が、冷静に落ち着いてやり過ごせる智慧だと考えています。

あなたの手元に地図と羅針盤をそっと用意しておいてくださいね。きっとその智慧があなたを救ってくれると思いますので。

シュロスバーグは「転機への対処法」は強化できることを提唱した

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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