シュロスバーグ 4つのS。転機の自分の現在位置を把握する方法

転職活動中の人、なかなか仕事が決まらず悩んでる人に対して、キャリア理論は後回しでいいのかもしれません。

それよりも具体的な手段・方法を呈示すべきではないかと考える機会がありました。転機の理論を提唱した「ナンシー・K・シュロスバーグ」をGoogle検索すると、彼女の転機の理論に関する紹介記事がいくつもでてきます。いくつか読んでみました。

そしてこう思いました。人生で辛い時にこのような記事はチカラになれるだろうか?と。救急外来では応急措置が命です。「今どうすればいいか?」について、即効性ある具体的な方法を最初に語るべきではないかと考えたのです。

ナンシー・K・シュロスバーグは、転機というものに本格的に取り組んだキャリア開発の理論家です。

彼女によれば「転機」とは、人生の移行期に生じるなだらかな「転機」というよりも、不連続に起きる人生の「転機」そのものです。その度に異なる不連続な「転機」が始まる。そのような「転機」がどういうものなのか?それをどのように乗り越えていけばいいのか?それを研究したのです。

極めてロジカルな取り組みです。取り組めば「今どうしたらいいか?」について具体的な方針がきっとでてくるでしょう。それはキャリアコンサルタントの私からみて、素晴らしい研究成果です。そしてそれを苦しんでいるクライエントの支援に活かすことはきっと私たちの使命でもあると思うのです。

キャリア開発の理論家の中でも「転機」というものに真正面から取り組んだナンシー・K・シュロスバーグ。「転機」そのものの定義、転機のプロセスへの理解とともに支援方法について体系化し、1999年には全米キャリア開発協会(NCDA)の会長に就任しました。

ここでは、シュロスバーグの理論から「4つのS」という方法論を具体的に紹介します。「今なにをすればいいか?」に応える方法です。

これを読むことによって、転職活動のしんどさを軽減させることができるようになるでしょう。

あなたと共に、つらい転機の季節を乗り越えていける具体的な方法をここで学びたいと思います。

シュロスバーグは「転機の乗り越え方」について、次の3つのステップに整理しました。

まず最初は、転機のプロセスを明らかにする<ステップ1>です。

①転機の始まり(喪失や否認)

②転機の最中(空虚と混乱)

③転機の終わり(嘆き、受容)

「出典:資料シリーズNo.165 労働政策研究・研修機構(JILPT)」

「今自分が転機のどこにいるのか?」ー自分の現在位置を客観的に掴みとります。

<ステップ1>では自らの転機を見定めます。

次に、自らのリソース(資源)を点検します。

4つのS」で点検項目を整理します。

①状況:Situation ② 自己:Self ③ 支援:Support ④ 戦略:Strategy 。

これが<ステップ2>となります。

その上で<ステップ3>では対処法を練ります。

シュロスバーグ理論の全体像と「4つのS」についての位置関係をMindMapに整理してみましたので参考にしてください。

【シュロスバーグの理論】:日本マンパワー「キャリアカウンセリング養成講座」の理論TEXTに基づいて作成しました。

「転機の乗り越え方」を整理しますと、今自分の立ち位置を確認し、そして自分の持てるリソース(資源)の「4つのS」を整理し認識し、転機の乗り越え方を決める。要約するとそんな流れになります。

ここで「自らのリソース(資源)の点検」はとても重要です。

これは自分の持てる武器・弾薬を確認すること、それとともに軍資金とどれだけの期間戦えるか?という時間を把握することです。

さてそれではさらに具体的にこの「4つのS」をみていきましょう。

ここで「4つのS」の目的は、転機の渦中にある自分の立ち位置を知ることです。

①状況:Situation

・今あなたは、転機のどのあたりにいますか?始まったばかり?渦中?終わりでしょうか?

・そして今のあなたの目標はどこですか?

②自己:Self

・あなたは人生に楽観的ですか?(悲観的でしょうか?)

・今の転機に立ち向かえそうですか?(圧倒されていますか?)

・あなたは事態をコントロールできそうですか?

・自分の興味・スキルはどうですか?

・経験してきた仕事のスキルはどうでしょう?

・自分の興味・スキル・経験をどのように活かせそうですか?

③支援:Surpports

・自分が必要とする支援は何なのでしょう?

・家族や友人は応援してくれそうですか?

・経済的支援はどうでしょう?

・支援機関(公的・私的)は活用できそうですか?

・スキルを磨く時間・資金・期間を検討できますか?

④戦略:Strategies

・複数の戦略プランを持てそうですか?

・ストレスへの対処法(スキル・方法)を持っていますか?

・柔軟な戦略変更は可能でしょうか?

転機の渦中にあって、自己分析をロジカルに考える手順まで示したものといえるでしょう。

あなたの転職活動で、この「4つのS」を活用してもらえるとうれしいです。

結論です。

ここでシュロスバーグの転機の理論における「4つのS」について学びました。あなたの中にあるリソース(資源)を具体的に把握するものです。このリソースで強い項目はそのままあなたの戦力です。しかし弱い部分、足りない部分は補強すべきリソースです。このリソースを点検して強化するという考え方が素敵です。

転職活動において、さくさくと「4つのS」を整理・把握することによって、柔軟に戦略変更を図っていきましょう。

セーフティーネットが足りないと考えたなら、新しいセーフティネットを加えます。

コミュニケーションが足りずに孤立していると感じるならば、定期的に友人と「おしゃべり」しましょう。電話でもいいのです。定期的に、意図的に、この部分を強化してください。

先人「ナンシー・K・シュロスバーグ」の智慧をうまく活用して、あなたが転機を上手に乗り越えられますように。

転機を理解し上手に対処する:シュロスバーグはそう考え整理した。

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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