NHKの「あさイチ」にキングコングの西野亮廣さんが出ていて、興味深い人だなあと思い、西野さんの本を何冊かAmazonで取り寄せて読みました。私は、その著書を起業家の本として読みました。
その著書の中でも『ゴミ人間 日本中から笑われた夢がある』(2020年12月18日初版発行/株式会社KADOKAWA)は彼が製作総指揮を務めた映画『えんとつ町のプぺル』の公開(12月25日)を直前に控えて、そこに至るまでのことを赤裸々に綴った回顧録の趣きがありました。時に心ふるえるエピソードもあって、涙してしまう箇所もあり、感動する本でした。
新型コロナで日本中が不安とたくさんの不幸に見舞われた時でした。それを忘れることは私にとってもできません。
そんな中で西野さんはその映画の興行の失敗の恐怖に震えながらも、毎日毎日前売りチケットを手売りしたそうです。
そのような本に対しては、もはや書評や批評は無力です。
起業を志す人にとっては、この本はおそらく励ましの本になることでしょう。
TVタレントとして成功した地位を捨てて、絵本作家を目指したこと。
0.03mmのボールペンを使い、4年以上の歳月を費やして処女作『Dr.インクの星空キネマ』を完成させたこと。
期待する売上部数に至らずに2作目の制作に入ったこと。
2作目も、3作目も期待値にはとどかなかったこと。
かれこれ7~8年が経過していたそうです。
たくさんのバッシングにさらされたそうです。
そのような中から、成功を収めていくまでの物語。
成功譚というよりも、茨の道であったのではないかと察します。
始めた時には、ほぼたった一人の0.03mmの戦い。
今では、大勢の仲間たちが西野さんの周りに生まれているように感じました。
そのようなことを、起業する者として読み飛ばすことはできません。
そこには起業家魂があります。
お勧めしたいです。