LIFE SHIFT:AIとロボット工学。アンドロイドは雇用不安を覚えるか?

ファミリーレストランで、配膳用ロボットが女子高校生の注文した食事を運んでくるのをみかけました。ロボットが採用されて、高校生のアルバイトはなくなってしまったのでしょうか?

ペッパー』くんと初めて会ったのは何年か前でした。歳当てクイズをやっていた彼にお相手してもらうと、実年齢よりもずっと若い年齢を答えてくれました。お世辞をいう『ペッパー』くんのその表情がとても印象的でした。

そして映画『ブレードランナー』。長年私たちを惹きつけてやまないのは、「自分の存在とは何か?」と自問するレプリカントに自分と同じ人間としての在り方をみるからかもしれません。

ここでは、『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略(以下、LIFE SHIFT)』と『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略(以下、LIFE SHIFT2)』をテキストにして、AI(人工知能)とロボット工学の劇的な進展による私たちの雇用の未来について、考察してみたいと思います。

LIFE SHIFT』には「長い人生を送る人にとって、未来の雇用環境について展望をもつことはきわめて重要だ」(引用:p89)と述べられています。

実際、その通りだと思います。

ここでは、まず最初に、雇用とテクノロジーの関係について考察してみましょう。その次に、労働市場の趨勢について考察します。

驚異的なイノベーションが、人工知能とロボット工学の分野で実現しようとしています。既にテクノロジーの進展は雇用に大きな影響を及ぼしています。

「1979年以降、低スキルの職と高スキルの職は増えているが、中スキルの職は減っている」(引用:p105)という現象が生じています。雇用の空洞化は既に始まっているのです。

「仕事のやり方を緻密にマニュアル化できる定型的(=ルーティン)な職は、仕事のやり方をプログラムに書いてコンピュータやロボットに担わせやすい」(引用:p106)ので、「この種の業務では、テクノロジーによって人間を代替でき、コストも人間の労働者の賃金より安く抑えられる」(引用:p107)というメリットがあります。

世界で稼働しているロボットの数は200万台以上。そのほとんどが製造現場に投入されている」(『LIFE SHIFT2』引用:p19)との報告があります。

AIとロボット工学の驚異的な進化は、主にコンピュータの処理能力の飛躍的な進展に依るものです。

LIFE SHIFT2』の第1部では、AIとロボット工学の進展を支える4つの法則が紹介されています。(引用:p15~p17)

❶ムーアの法則:コンピュータの処理能力は、18ヵ月間に2倍のペースで上昇するという説。

❷ギルダーの法則:周波数帯域幅は、コンピュータの処理能力の少なくとも3倍のペースで拡大するという説。

❸メカトーフの法則:ネットワークの価値は、接続ユーザーの数の2乗に比例するという説。

❹ヴァリアンの法則:活用可能な既存テクノロジーが多彩であればあるほど、それらを組み合わせて有益なものを生み出せる可能性が高まるという説。

今後ともコンピュータの処理能力は高まると考えられることから、雇用の空洞化はますます加速していくはずです。

それでは、激変する労働市場の趨勢を、私たちはどう捉えておけばいいのでしょうか?

先進国では「高齢化と出生率の低下により人口が減り、働き手世代の人口も縮小している」「それがどこよりも顕著なのが日本」「最大約1億3000万人に達していた日本の人口は、2060年には8700万人まで減るという予測もある。しかも、このうち65歳以上の人口が40%を占める」(引用:p111)。そんな予測が述べられています。

大規模な人手不足が予想されます。

ここで結論です。

ロボットに雇用が奪われることを心配するより、ロボットが労働人口の縮小を補い、経済生産と生産性と生活水準を保ってくれることを歓迎すべき」(引用:p112)といえるでしょう。

しかし、あなたが希望に満ちた幸福な人生を送るためには、テクノロジーの進展によっても消滅しにくい仕事について知っておくことが重要だと思います。

LIFE SHIFT:ブレードランナーの世界で。 人間しかできないこととは?

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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