THE NEW LONG LIFE:A post-pandemic road map その入り口で

LIFE SHIFT』を何度も読み返した理由は、現在進行中の「長寿化の進展」と「テクノロジーの進化」の過程で、私たちはこれからどのように行動していけばいいのか?それを知りたいと考えたからでした。

著者のひとり、リンダ・グラットン氏によれば『LIFE SHIFT2』は日本語版の序文で「変化する世界で成功するための枠組みを示すことを目的にしている」と述べています。

日本語版の表紙にも、とても小さい活字で次のように記されていました。

The New Long Life: A Framework for Flourishing in a Changing World

すなわちこれが原題です。

日本語版のタイトル『LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略』は、この著書を社会的なムーブメントにまで押し上げることに多大なる貢献をしました。

しかし、この本はA manifesto for better later years(Financial Times)と評せられるように、マニフェスト(宣言、声明)であって、そこに行動戦略が描かれているものではありません。

行動戦略を組み立てて実行するのは、むしろ私たちがやるべき仕事だといえるでしょう。

この二週間、日本語版の『LIFE SHIFT』と原著を読み比べながら、私は過ごしました。

私は『転機の技法』の立場として、キャリアが直面する事柄と「転機」を考察する視点からこの『LIFE SHIFT』を読みました。

「長寿化の進展」と「テクノロジーの進化」は、おそらく今後、個人にとって厳しい脅威になるという危機感から、リアリティを持って読みました。

しかし、著者たちがそうであるように、明るく前向きな取り組みが未来を切り開いていくものと私も考えています。

職業人生が40年から60年に伸びる過程で「テクノロジー」が進化し、高齢化も進んでいくマルチステージの時代にあっては、個人には「転機」についての何らかの免疫力やその対処法が必須となってくるに違いありません。

古い3ステージ(教育⇒仕事⇒引退)であっても、時として転機に見舞われます。それは個人にとって決してたやすい経験ではありません。

ひとことでいえば、「アイデンティティの危機に瀕するような状況を、なんとか生き延びる」ことが求められます。

それが「転機」の実相だと私は考えています。

この『LIFE SHIFT2』の「第2部:人間の発明、第4章:探索ー学習と移行に取り組む」(p123~p165)が、転機にフォーカスした部分といえるでしょう。

原著にある”transitions“は、日本語版では「移行」と訳されていますが、アイデンティティの危機を伴う「移行」のことを「転機」と捉えていいのであれば、「移行」を「転機」と置き換えて読んでみてもいいかと思います。

おそらくマルチステージでの「転機」とは、A地点からB地点への「移行」とは異なり、自らのアイデンティティが危機に瀕してしまわぬようにしながら慎重に歩んでいく営みになるものと考えられます。

そのためには「転機」についての理解と、訪れる「転機」についての対処法を、事前に学んでおくことが必要となってくるでしょう。

このTransitionsの探究について、私は著者のおふたりから宿題をいただいたような気がしています。

長寿時代におけるTransitionsについて、これから時間をかけて具体的に探究していくつもりでいます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
目次