100年時代の人生戦略:目に見えないものの価値こそ 「変身資産」

今までの人生のフォーミュラ(formula)では、学校で学び、卒業後就職して仕事をし、定年を迎え引退するというのが世間一般に信じられていました。これを『ライフシフト』では「3ステージの人生」と呼んでいます。

今後長寿化の進展により仕事期間が飛躍的に伸びて(生活資金を確保する必要性から)、3ステージは崩れていくと予測しています。

もうその兆候は至る所でみることができるでしょう。

例えばテクノロジーの驚異的な進展により、学校で学んだ知識では追いつかず、俗にいう能力の「陳腐化」に直面します。会社では上司よりも若手の方が技能もスキルも上で、時代認識も若手の方が的確であったりします。一昔前にはPCの使えない部長がいたりしましたね。5年前にはなかった職業についている若者も大勢います。

テクノロジーの劇的進化は、何らかの形でリスキリングしなければ追いつけないレベルになっています。従って従来の「3ステージの人生」から不可避的に「マルチステージの人生」へと移行せざるをえないでしょう。

当然のことながら、転機に見舞われることが増えるでしょう。ここで転機について学んでこられたみなさんは、転機がもたらす不安やアイデンティティの危機についての知見があります。

この変化を強いられた時に求められる能力のことを『変身資産』と呼び、それを育む必要性を説いています。

変身資産」は、『無形の資産』の中に位置づけられています。

無形の資産』は「変身資産」の他に「生産性資産」と「活力資産」によって構成されています。

(英語圏で編まれた概念なので、英語表現の方がわかりやすいかもしれません。)

無形の資産Intangibles変身資産Transformational assets;「生産性資産Productive assets;「活力資産Vitality assets です。

無形の資産』は市場で売買できない資産を指しています。

例えば、p123にはこんな表現がありました。

友情とは、何歳であっても金で買えるものではない。

ー80歳のときに一生の友人を「購入」することはできない。

面白いですね。どんなにお金を積んでも手に入らない本当に価値あるものが、この世界にはあります。そしてそれこそが幸福を支えるものでもあります。もちろんお金は必要ですが。

ここでは「生産性資産」「活力資産」は割愛し、あまり語られたことのない「変身資産Transformational assetsにフォーカスしてみたいと思います。

変身するための資産」は、今までの3ステージではあまり必要とされませんでしたが、マルチステージでは非常に重要となるものです。

人生の途中で変化と新しいステージへの移行を成功させる意思と能力のことである」(引用:p157)

それでは、みていきましょう。

自分についての知識】:「自分についてある程度理解していることが不可欠」(引用:p160)

内省の重要性と、ありうる自己像(possible selves)についての考察を勧めています。

多様性に富んだネットワーク】:「多様なロールモデルやイメージやシンボルを得られる」(引用:p161)

変身は、従来のネットワークの中では実現しがたいことを指摘しています。

新しい経験に対して開かれた姿勢】:「考えることではなく、行動することによって変化に到達する」(引用:同)

既存の行動パターンを壊していき、探索と適応に向かうよう行動化を勧めています。

「仮面ライダー」や「トランスフォーマー」のように一瞬にして「変身」できるものではありません。

柔軟に新しい人生に適応していける能力を育んでいくことが備えになる。そう私は受け止めました。

七回転職してきた私には、Transformational assetsはあるでしょうか?これから自問してみたいと思います。

100年時代の人生戦略:マルチステージの人生 3つの生き方・働き方

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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