2000年11月30日に発行されたスペンサー・ジョンソン氏によるビジネス書「チーズはどこへ消えた?」を先日購入し読みました。原題は『Who Moved My Cheese?』(誰が私のチーズを動かした?)。手元の本には2022年11月30日第116刷と記されています。コンスタントに20年以上売れ続け、日本だけで450万部以上、世界中では2800万部以上売れた大大ベストセラーです。
20年以上前から私はこの本の存在を知りながら、購入には至りませんでした。大谷翔平選手の愛読書としてTVで紹介されたのが2016年。大型書店の平台には「チーズはどこへ消えた?」が積まれていたことを記憶しています。コンパクトな絵本に似た本です。それから8年くらい経過し、大谷選手のMLBでの大活躍を観ていた私は、はじめてこの「チーズはどこへ消えた?」を読んでみたくなりました。この春、大谷選手の直面した出来事が、きっと心のどこかにあったからかもしれません。
著者のスペンサー・ジョンソン氏は既に2017年7月、78歳で逝去されており、彼のこの著作は彼の死をも乗り越えて世界中で今もなお読み継がれています。
担当編集者の冨田健太郎氏によりますと、当時米国でヒットしていて、発売前に外資系企業から研修用にまとめ買いのオーダーが来ていたそうです。そしてビジネスマンに爆発的に売れたのは、当時ソニーのCEOだった出井伸之さんが、社員に薦めたのがきっかけになったということです。
『販売担当からは「ソニーの社員が書店に来てみんな『チーズ』『チーズ』と言っている」といった話も入ってきたりしました』。
とても面白いエピソードですね。
『チーズ』『チーズ』と言っていたソニーのビジネスマンは、その後どのようにこの「チーズはどこへ消えた?」を読み、そこから何を学び、そしてどんな行動変容を行ったでしょうか?
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寓話というものは、特にこの本のように暗喩に満ちた寓話では、とても多義性があって幾通りもの解釈可能な奥深いものがあります。100ページに満たないこの本は、大人ならば二時間程度で読み終えることができるでしょう。
特段感動するわけでもありませんでした。しかし読み終えて、しばらくしてまた再読しました。再読してみて少し寓話の世界の風景がみえてきました。寓話の世界の構造もまたうっすらとわかってきます。
ここでは、これからこの本を読む人々に寓話のストーリーやネタばらしをしてもはじまりませんので、この本がどうして編まれたのか?について考察してみたいと思います。
『状況の急激な変化にいかに対応すべきかを説く、深い内容がこめられている』。
そう本のカヴァーに記されています。そうなんです。
変化に対応する、対処する、適応することについての寓話だといえます。
「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定・・・等々の象徴。
「迷路」とは、チーズを追いもとめる場所、つまり、会社、地域社会、家庭・・・等々の象徴。
そのように本のカヴァーにありました。「チーズ」が消えてしまったら一大事。さて、あなたならどうしますか?
「チーズ」が消えてしまったことを分析し熟考するばかりの人。失ったことからくる事態におののき尻込みする人。中には果報は寝て待てとばかりにその場に留まり続ける人。チーズが消えてしまった時には、いろいろな対応がみられることでしょう。なかにはすぐに、新しい「チーズ」を探し始める人がいるかもしれません。しかしすぐに新しい「チーズ」を探し始めることが、できるのか?またそれがいいかどうかはわかりません(私にはそう思えます)。
生成AI(Google Gemini)で、こんな質問をしてみました。
今 「将来に向けて、決断しないまま何もせずに時間を無為に過ごしていると、どうなるか?」教えてください。
【Geminiのひとつめの回答です】
将来に向けて決断しないまま何もせずに時間を無為に過ごしていると、以下のような可能性が考えられます。
ネガティブな影響
- 機会損失: 決断を先延ばしにしている間に、他の選択肢がなくなったり、状況が悪化したりする可能性があります。
- 後悔: 後になって、「あの時決断しておけばよかった」と後悔する可能性があります。
- 自己肯定感の低下: 何も行動しないことで、自分に自信を失い、自己肯定感が低下する可能性があります。
- 不安や焦りの増大: 将来に対する不安や焦りが増大し、精神的な負担が大きくなる可能性があります。
- 人間関係の悪化: 周囲の人から「何もしていない」と見なされ、人間関係が悪化する可能性があります。
ポジティブな影響
- 心の休息: 無為に過ごすことで、心身のリラックスにつながり、新たな発想が生まれる可能性があります。
- 自己理解の深化: 自分自身と向き合う時間が増え、本当にやりたいことや価値観を再確認できる可能性があります。
- 将来の準備期間: 時間があるうちに、将来に向けて必要な情報収集やスキルアップを行うことができます。
まとめ
将来に向けて決断しないまま何もせずに時間を無為に過ごすことは、必ずしも悪いことではありません。しかし、長期的に見ると、ネガティブな影響の方が大きい可能性があります。
もし、あなたが将来に対して漠然とした不安や焦りを感じているのであれば、まずは「自分は何をしたいのか」「どのような人生を送りたいのか」をじっくり考えてみることをおすすめします。そして、小さな一歩でも良いので、行動に移してみましょう。 行動することで、状況は必ず変化していきます。
それでも決断できない場合は、
- 信頼できる人に相談する
- キャリアカウンセラーに相談する
- 自分と向き合う時間を意識的に作る(瞑想、日記など)
など、様々な方法を試してみるのも良いでしょう。
大切なのは、
- 自分の気持ちに正直になること
- 焦らず、ゆっくりと時間をかけて考えること
- 周りの人に助けを求めること
です。
あなたにとって最善の選択ができるよう、応援しています。
【Geminiの2つめの回答です】
将来に向けて決断しないまま何もせずに時間を無為に過ごしていると、以下のような可能性が考えられます。
1. 機会損失:
- 時間は有限であり、何もせずに過ごしている間にも、様々なチャンスや可能性が目の前を通り過ぎていきます。
- 後になって「あの時、行動しておけばよかった」と後悔するかもしれません。
2. 成長の停滞:
- 新しいことに挑戦したり、スキルを磨いたりする機会を逃し、自己成長が停滞する可能性があります。
- 周囲の人々が成長していく中で、取り残されたような気持ちになるかもしれません。
3. 不安や焦りの増大:
- 将来に対する漠然とした不安や焦りが募り、精神的なストレスを抱える可能性があります。
- 特に、年齢を重ねるにつれて、焦りが強くなるかもしれません。
4. 人間関係の希薄化:
- 積極的に人と関わったり、新しいコミュニティに参加したりする機会を逃し、人間関係が希薄になる可能性があります。
- 孤独感を感じたり、社会との繋がりが薄れていくかもしれません。
5. 経済的な困窮:
- 将来設計をせずにいると、収入が安定しなかったり、貯蓄ができないまま年齢を重ねてしまい、経済的に困窮する可能性があります。
もちろん、何もせずに過ごす時間が全て無駄になるわけではありません。 休息やリフレッシュも大切です。しかし、将来を見据えて計画的に行動することで、より充実した人生を送ることができるでしょう。
具体的な対策
- 目標設定: 将来の目標やビジョンを明確にすることで、行動の指針ができます。
- 情報収集: 興味のある分野や業界について積極的に情報収集し、視野を広げましょう。
- 行動計画: 目標達成のための具体的な行動計画を立て、一歩ずつ実行に移しましょう。
- 相談: 友人や家族、専門家などに相談することで、新たな視点やアドバイスを得られます。
- 小さな挑戦: 大きな目標を達成するために、まずは小さなことから挑戦してみましょう。
時間は誰にでも平等に与えられた貴重な資源です。 後悔しないためにも、将来に向けて積極的に行動し、充実した時間を過ごしましょう。
【Geminiの3つ目の回答です】
将来に向けて決断しないまま、何もせずに時間を無為に過ごしていると、以下のような可能性が考えられます。
短期的影響
- 機会損失: 決断を先延ばしにしている間に、他の選択肢がなくなったり、状況が悪化したりする可能性があります。
- 焦りや不安の増大: 時間だけが過ぎていくことに焦りを感じ、将来への不安が大きくなる可能性があります。
- 自己肯定感の低下: 何も達成できていないと感じ、自己肯定感が低下する可能性があります。
- 人間関係への影響: 周囲の人々が成長していく中で、取り残されたと感じ、人間関係に悪影響が出る可能性があります。
長期的影響
- 後悔: 後になって、「あの時、決断していれば…」と後悔する可能性があります。
- 経済的な困窮: キャリアアップや収入増加の機会を逃し、経済的に困窮する可能性があります。
- 健康への影響: ストレスや不安が蓄積し、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 孤独感: 社会とのつながりが希薄になり、孤独感を深める可能性があります。
しかし、
- 必ずしも悪いことばかりではありません。 無為に過ごす時間の中で、自分自身と向き合い、本当にやりたいことを見つけることができるかもしれません。
- 時間を有効活用する方法は人それぞれです。 必ずしも何かを成し遂げなければならないわけではありません。
大切なのは、
- 自分の人生をどのように生きたいのかを真剣に考えること
- 決断を先延ばしにするのではなく、行動に移すこと
- たとえ失敗しても、そこから学び、成長していくこと
もし、将来について悩んでいるのであれば、
- 信頼できる人に相談する
- 専門家のアドバイスを受ける
- 自己啓発本を読む
- セミナーに参加する
など、積極的に情報収集を行い、自分なりの答えを見つけることが大切です。
未来は、あなたの決断と行動によって変えることができます。
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なかなか生成AIはうまいことをいいますね。
2000年からこの2024年までの二十数年に、この世界にどのような変化がもたらされてきたかを、生成AIに聴いてみました。簡潔な回答のひとつをここにご紹介しましょう。
2000年から2024年までの世界では、様々な分野で大きな変化がありました。以下に主なものを挙げます。
技術の進歩:
- インターネットの普及: ブロードバンド接続の普及により、インターネットは日常生活に欠かせないものとなり、情報収集、コミュニケーション、エンターテイメントのあり方を大きく変えました。
- スマートフォンの登場: 携帯電話がスマートフォンへと進化し、いつでもどこでもインターネットにアクセスできるようになり、人々の生活様式やビジネスモデルに大きな影響を与えました。
- ソーシャルメディアの台頭: Facebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアが普及し、人々のコミュニケーション方法や情報伝達の手段を大きく変えました。
- AI(人工知能)の発展: AI技術が急速に進歩し、自動運転車、顔認証システム、医療診断支援など、様々な分野で応用されるようになりました。
社会の変化:
- グローバル化の加速: 貿易や投資の自由化、インターネットの普及により、世界はますますグローバル化が進みました。
- 少子高齢化: 先進国を中心に少子高齢化が進み、社会保障制度や労働市場に大きな影響を与えています。
- 格差の拡大: グローバル化や技術革新の恩恵を受けられる人とそうでない人の間で、経済格差が拡大しています。
- 環境問題の深刻化: 地球温暖化や気候変動、海洋プラスチック汚染など、環境問題が深刻化し、国際的な取り組みが求められています。
政治の変化:
- アメリカ同時多発テロ事件: 2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件は、世界に衝撃を与え、国際テロとの戦いが本格化しました。
- 中東情勢の不安定化: イラク戦争やアラブの春など、中東地域では紛争や政情不安が続いています。
- 中国の台頭: 経済成長を続ける中国は、国際社会における影響力を強めています。
- ロシアのウクライナ侵攻: 2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻は、世界に大きな影響を与え、エネルギー危機や食糧危機を引き起こしています。
その他:
- 新型コロナウイルス感染症のパンデミック: 2020年から始まった新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、世界中で人々の生活や経済に甚大な影響を与え、今もなおその影響は続いています。
これらの変化は、私たちの生活や社会、そして世界全体に大きな影響を与え続けています。
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2000年に上梓された「チーズはどこへ消えた?」の原題は、『Who Moved My Cheese?』(誰が私のチーズを動かした?)でした。
誰が、私のチーズを動かしたのか?
それは「時代」が動かしたといえるでしょう。
日本人は「無常」という概念を文化的価値観の中に有しています。
私たちは、私たちのチーズの探し方を考える時なのかもしれませんね。