映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を観て感動した人は今、どこに?

人は何故映画を観るのでしょう?

映画に惹きこまれ、人はどうして映画館の暗闇の中で過ごそうとするのでしょうか?

実は、私は映画が大好きです。

東宝の怪獣映画を観て育ちました。スクリーンはプロレス興行のように子供心を興奮させる何かがありました。

しかし本当に映画と「出会った」のは、高校生の頃です。

学校をサボって映画を観に行きました。教室の黒板に教師が書く世界よりも、心奪われる何かが映画にはありました。

そんな時、スクリーンは、世界に向けて開かれた窓でした。そこにはまだ見ぬ世界と文化と芸術と、そして人生がありました。インターネットもない時代。映画は世界に開かれたWindowsであったのです。

私は大学に進学し、映画を専攻しました。

特にイタリア映画に惹きつけられるものがありました。イタリアの映画監督を卒業論文のテーマに選びました。既に亡くなったその監督は、アカデミー賞の授賞式で特別功労賞を受賞した映画界の巨人でした。世界中の映画人に影響を与えた方でした。いつか北イタリアにあるその監督の墓を訪ね祈りたいという夢を、まだ私はあきらめていません。その監督の映画に、私はどれだけ救われたことか。たった一人で彼の映画を観ることが生きる充実であった日々でした。

そして、映画「ニュー・シネマ・パラダイス」。

映画史に名を残した映画が劇中で沢山引用されます。私の敬愛する監督の映画もまた戦後イタリア映画のひとつとして引用されていました。うれしかった。

この映画をご覧になった方は、この映画を、いつ?どこで?誰と?観たかを覚えているのではないかと想像します。

今ではYouTubeでも、アマプラでも、レンタルされています。

けれど、劇場で、この映画「ニュー・シネマ・パラダイス」を観た方がいたのなら、その人に感想を聞いてみたいと思います。

Wikipediaによれば、日本における初公開は、1989年12月。

東京・銀座4丁目のシネスイッチ銀座において40週におよぶ連続上映を行い、動員数約27万人、売上げ3億6900万円という興行成績を収めたと記されています。丁度、昭和から令和へと変わる1989年。この映画を劇場でご覧になった方は、35年前のその日の事を、どのように記憶されているでしょう?

20歳の青年が恋人とこの映画を観たのなら、その青年は、今年55歳になっています。

映画「ニュー・シネマ・パラダイス」に描かれたことは、どのように人生に響いているのでしょう?

この映画には、生きることの意味は何なのか?

そのアンサーが描かれていると、私は思います。

そんなことを、語り合ってみたいのです。

55歳のあなたの人生。そこにはどんな音色でこの映画が響いているのかを尋ねてみたいです。

世界中の人々が、エン二オ・モリコーネによる映画「ニュー・シネマ・パラダイス」の愛のテーマを演奏しています。そして耳を傾ける聴衆がいます。

クリス・ボッティとヨーヨー・マによる愛のテーマ

きっとそこには、人生の真実があるからだと、私は思います。

そして、その音楽を聴くことで、辛くもある現実世界を、それでも生きていこうとするのではないかと思います。

本当に大切な何かを、教えてくれるからに他なりません。

映画「ニュー・シネマ・パラダイス」。この名作は映画についての映画でもあります。映画もまたそれを観ることによって、人生に光(ルミエール)をもたらしてくれる気がします。

映画館の暗闇の中に射す一条の光。

それはスクリーンを照らしているのですが、同時に私たちの心を照らしてくれているのでしょう。

ポルトガルの歌手・ドゥルス・ポンテスが歌う愛のテーマ

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この記事を書いた人

大前 毅のアバター 大前 毅 国家資格キャリアコンサルタント
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