「カンヌライオンズ」は世界最大級のクリエイティブの祭典です。この6月に、南仏カンヌで第71回カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバルが開催されました。受賞した世界の優れた広告を出来る限り観ました。ここに2作品をご紹介したいと思います。この2作品は例え言語がわからなくても伝わってくるものがある作品でした。私がこの「カンヌライオンズ」に着目しているのは、私たちの生きるこの世界を知ることにつながると考えるからです。
「私たちが生きるこの世界を知る」ということは、とても大切なことです。どのように生きていけばいいか?それを考える上で、世界を知ることは不可欠です。バックパッカーが世界を旅する時に、この世界を知らなければ、知らないうちに地雷原を歩いているようなことになりかねません。
私たちの世界を知るひとつの手段として、クリエイティブの世界で磨きに磨かれた広告作品を通して、この世界を知る方法があることを共有したいですし、私は大切にしていきたいと思います。
「Coca-Cola – Recycle Me」には、ナレーションがありません。
しかしリサイクルに対する啓発が、ユーモアを感じさせつつこちらに伝わってきます。
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2024年はまた80か国以上で大きな選挙のある「選挙イヤー」でもあります。
社会通念を前進させる作品に贈られる「Good」部門において、国や地域を越えて社会そのものの改善を図った作品を評価する「Grand Prix for Good」に選ばれた作品をご紹介したいと思います。非政府組織「国境なき記者団」(Reporters Without Borders)の「The First Speech」。グランプリ作品です。
ここに英文のテロップを記します。
We have proved that our country is becoming a modern democratic state.
We have common goals,
We want our country to be free, prosperous, rich, strong, civilized.
You believed that together we can change our lives for the better.
A country that its citizens are proud of and is respected in the world.
We must cherish what we have achieved, preserve and develop democracy.
What I can promise is that I am going to work openly and honestly.
『我々は、我が国が近代的な民主主義国家になりつつあることを証明しました。 私たちには共通の目標があります。 私たちは、我が国が自由で、繁栄し、豊かで、強く、そして文明化することを望んでいます。 あなたは、私たちが共に力を合わせれば、より良い生活に変えていけると信じていました。 国民が誇りに思い、世界から尊敬される国。 私たちは、達成したことを大切にし、民主主義を守り、発展させなければなりません。 私が約束できるのは、私がオープンかつ誠実に仕事をするということです』(生成AI:Geminiにより翻訳)
最後のテロップです。Words from Putin’s first speech as president of Russia in 2000. The loss of freedom is never obvious at first. Trust the free press. Not pretty words.
ここに描かれた世界は2000年の世界です。そして私たちはそれから24年後の2024年に生きています。
2024年の今から、未来を考えるときに、未来は今の意思決定の上に成立していると考えていいでしょう。
私たちが生きる世界を知る。それは私たちの生きる未来を知ることでもあるのです。