新しくはじまったTBS火曜ドラマのタイトルにはハッシュタグ #マイハル がついています。きっとこの秋、この火曜ドラマはX等で拡散されていく青春ラブコメのひとつになっていくでしょう。
第1話、とても面白かったです。主演の広瀬アリス(白玉佐弥子/30歳)さんと、なにわ男子の道枝駿佑(小笠原拓)さんがこれからどうなっていくか・・・それがドラマをひっぱっていく牽引役ですが、興味深かったのは、初回が30歳の白玉佐弥子(広瀬アリス)が大学生を目指す決心から始まることでした。
30歳で大学受験する。なかなかいいです。
誰が決めたかわかりませんが、学校をでて社会人になって定年まで働くというモデルが今でもかろうじてあるのかもしれません。しかしそれがほぼ崩れ続けている現代です。今後もっともっとそのモデルは崩れていくことでしょう。いずれなくなることでしょう。30歳で大学で学ぶという発想自体がまだレアなこの日本で、これからどんどんそんな動きが出てくると思いますし、またそうなっていかなくては立ちいかない日本です。
最近「リスキリング」という言葉が叫ばれるようになりました。そんな時代です。
学校で学んだスキルが社会に出て数十年間有効な時代は終わりました。ITをはじめとする技術革新は社会に激しい変化をもたらしています。しかし会社が社員のスキルを高めるための教育を施すのにも限界があります。
ならば個人はどうするか?
きっと自ら学んで道を切り開くようになっていくことでしょう。
30歳の白玉佐弥子(広瀬アリス)は、それをしました。
子供の頃に大工さんに憧れてた白玉。建築のスクラップブック。親が望む人生。自分の望む人生。夢の中で、気づくと白玉(広瀬アリス)はジェットコースターに乗っていました。笑えました。その夢はちょっとブラックでした。しかし妙なリアリティがあったのも事実です。
高校をでて土産物屋の家業をつぐのではなく、大学に行って建築を学びたい。親の理解もえて大学受験に挑もうとしますが、おさだまりの運命の暗転。アクシデントは前触れもなく白玉を襲います。
いろいろあって大学への進学はあきらめ上京した「12年目の契約社員」の白玉は、そこで雇止めになってしまいます。人生の最大の試練、その逆境に再びアクシデントが襲いかかり・・・その中で建築学科の大学生小笠原拓(なにわ男子の道枝駿佑)との出会いが契機となって、再び大学進学を目指すことに決めました。
偶然につぐ偶然。ドラマはご都合主義かもしれません。
しかし人生は案外、偶然につぐ偶然です。白玉は失うものはほぼ失った後で、好きな建築を学ぶために大学受験に臨むことにしました。30歳。見事ではありませんか。
建築に関わる仕事はいろいろあって、建築士を目指す方向、CADオペレーターを目指す方向、インテリアコーディネーターを目指す方向、それ以外にもいろいろあります。白玉が選んだ大学で学ぶこともそのひとつです。
ドラマを観終わって、こんなことも思い出しました。世界的な建築家・安藤忠雄は、高校を出て独学で建築を学びました。建築を巡って日本を旅し世界を旅しました。工業高校の時プロボクサーになった安藤忠雄は建築の世界で、世界を相手に戦い続けて建築家になったことを思い出しました。
白玉は30歳になって夢に再び賭けることにした一人です。
この#マイハルのプロデューサー・塩村香里さんは、このドラマのテーマを「今、一歩踏み出す勇気」として番組を企画したそうです。
応援しない訳にはいきません。